吉永小百合の魅力とは

吉永小百合さんというと、日本を代表する大女優さんだ。筆者は世代ではないものの、彼女の名前だけなら知っている、それは例え吉永さんが出演している映画作品を見たことがない人であってもだ。国民的女優であるのに高嶺の花であり続ける吉永小百合さん、その魅力は何処にあるのか、このサイトはそんな吉永小百合さんについて考察していきます。

近年の代表作を紹介

名作と呼ばれる『母と暮らせば』

吉永小百合さんの凄さについて理解していただいたところで、ここからは近年における吉永小百合さんが主演した映画作品を紹介していこう。先に言っておくと、吉永小百合さんが主演した作品は映画市場でみても常に大ヒットしていると言えるレベルで興行収入を伸ばしており、ここまで人気を維持し続けられるのもこの方の女優としての価値が多くの人に認められてのことだ。それがどれだけ難しいのか、語っていたらおそらく一日掛かりになってしまうだろう。そこまで時間は割けないので、吉永小百合という女優の凄さを知ってもらうためにも作品を通して改めて見なおしてもらいたい。

まず最初に紹介するのは、昨年2015年暮れに公開された『母と暮らせば』を取り上げたい。今作では吉永さんは、嵐の二宮和也さんと親子役で共演しており、亡くなったはずの息子が幽霊になって実家に帰ってくるところから物語が始まります。

そんな作品について、まずは概要から見ていこう。

作品概要

この映画のテーマとして『ヒロシマ・ナガサキ・沖縄』といった3つの『戦後命の三部作』と称される作家の意志により始動したプロジェクトとなっています。作品構成をしたのは作家の井上ひさし先生で、晩年にはこれらのテーマを形にした作品を発表したいと考えていたのですが、その夢を叶えられずにこの世を去ってしまったという。そんな作家の意思を継ぐために監督を務めた山田洋次さんの働きにより、吉永小百合さん主演で映画化が決まった。

テーマから見て取れる内容は他でもない、『原発を投下された地域の戦後』について焦点を絞っている。実際、主人公たちが投下された長崎を舞台にして家族の絆が描かれています。具体的にあらすじは次のようになっている。

あらすじ

医大生の浩二は将来は医師になるため勉強に励んでいた。住んでいた長崎で平和に暮らしていたが、世は太平洋戦争真っ只中にあり、その年は戦争が終焉する年でもあった。その年、広島と長崎に投下された原爆により一帯は壊滅。余波に巻き込まれた主人公は夢をかなえる事なく亡くなってしまうのだった。そんな息子の死を一人無事を祈り続けていた母は悲嘆に暮れ、息子を失った苦しみに苛まれた。

時は過ぎて3年が経過した、長かった戦争も終わり、日本も徐々に新時代へと歩き出そうとしていた中で、主人公の母である伸子は地元の長崎で助産師として働いていた。何不自由ない生活の中でポッカリと出来てしまった穴に時折苦しみつつも過ぎるだけの日々に、突如変化が起きる。

それはあまりに唐突だった、自宅で息子の遺影にいつもどおり祈りを捧げていると後ろから気配を感じて振り向いた。そこには3年前の原爆により、死を迎えてしまったあの頃のままの息子が立っていたのです。幽霊となって実家に戻ってきた息子、もう二度と逢えないと思っていた息子と再会して喜ぶ母、そんな奇妙な生活が幕を開けるのだった。

死と向かい合う

今作において出てくるのは、死という面が強調されている。特に息子の浩二は自身が死んだことを自覚しながらも、過ぎゆく時の流れに納得できず、またそれを受け入れることが出来ないやるせなさも相まっていた。特に残してしまった母、そして生前に結婚まで行きかけた恋人を遺していたこともあって、浩二は未練を残したまま現世に残ったのです。

しかし遺っても見えるのは母一人だけ、あれだけ会いたかった恋人は母が新しい道を歩いてくれと頼んだこともあり、新しい恋人を作って違う人生を歩もうとしていた。納得できるわけなかった、今こうして自分はここにいる、そう浩二は思ってもその意思は生者と死者を等価とみなせないという点を必然的に見出していた。今の自分はここにいる、それなのにどうしてと納得出来ない様子も見せている。そう思っても時間は無情に過ぎていくだけ、やがて訪れるのは最愛の母も死すという結末だった。

死と向かい合うとは何か

今作に対する意見はかなりの確率で分かれる、もう少し違う結末を見いだせなかったのかとありますが、現実的な死とはまさにこの作品で描かれるほどに無情な物。どんなに悲嘆しても、時間はただただ過ぎゆくだけで、ゆっくりと悲しみから立ち直っていくしかない。傷と悲しみは年月を経れば回復していきます、大切な人がそばにいなくなるというポッカリと空いた穴は長い時間の間人を苦しめ続ける物。そして何より死を認めたくないと言っても、受け入れるしかない現実は容赦なく襲い掛かってくる。

まさに諸行無常なり、この作品では望む結末を迎えて欲しいといった意見も見受けられるものの、個人的に展開は全く文句ない、さすがといった内容と見ている。

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